化粧品を支える「科学」と「技術」に関する先端情報を総合的かつ多面的に提供することを目的に編集した 全5巻シリーズの最終巻! 本巻では、化粧品そのものについて整理して考えられるよう、主要な化粧品の種類別に分類や使用目的および期待される機能などを解説しています。 また、化粧品科学の視点から科学技術史や製品の構造解析についても記載しています。 【各章の概要】 第1章 スキンケア化粧品 乳化、可溶化の原理的違いをわかりやすく説明した上で、乳化という本来不安定な配合物を目的とする商品形態や安定性のものに作り上げるための基礎知識と応用上のヒントをまとめている。 第2章 メークアップ化粧品 メークアップ化粧品の剤型、使い方、仕上がり効果、使用に付随する課題などについてわかりやすく解説。 項目ごとに機能が求められる理由とどうすればそれが叶うのかという点をサイエンスの本質から明確に説明。 第3章 ボディケア化粧品 身体洗浄料の求められる機能について、合成洗剤の登場と主力界面活性剤としての確立などの歴史的背景や消費者の求める性能との関連を交えて解説。 洗浄性・マイルド性の両機能を泡を活かし同時に向上させる技術も紹介。 第4章 ヘアケア化粧品 ヘアクレンジング、コンディショニング、スタイリング、カラーリング、パーマネントウェーブについて、主な機能とメカニズム、目的別の製品の分類や主な成分と役割をわかりやすく解説。 第5章 IFSCC受賞論文からみる化粧品研究開発のトレンド 化粧品科学の国際的な発展の推移とこれに対する日本の化粧品技術者の多大な貢献を明らかにすることで、日本の化粧品産業の更なる発展と、化粧品に関する科学技術の目指すべき方向性を考えるための有用な指針を示す。 第6章 製品の構造解析 製品の構造や性質を詳細に判別できるよう、様々な分析機器を駆使した化粧品の構造解析をする上での基礎知識と応用例についてわかりやすく解説。
【目次】 第1章 スキンケア化粧品 (渡辺 啓) 1.スキンケア化粧品の機能 2.スキンケア化粧品の構成成分と技術 3.可溶化 4.微細乳化 5.乳化 6.乳化法 7.最近のスキンケア化粧品のO/W乳化技術の進化 8.まとめ コラム:マイクロエマルションの型を理解するための豆知識 第2章 メークアップ化粧品 (中村 直生) 1.はじめに 2.ファンデーションの剤型とその特徴 3.化粧仕上がり 4.その他の要素 5.まとめ 第3章 ボディケア化粧品 (坂井 隆也) 1.はじめに 2.身体洗浄料 3.皮膚へのマイルド性と使用感 4.起泡技術 5.洗浄力と皮膚へのマイルド性の両立への取り組み 6.おわりに コラム:きめ細かい泡は、皮脂洗浄力と皮膚への優しさを制す? 第4章 ヘアケア化粧品 (楊 建中) 1.ヘアケア化粧品の役割 2.シャンプー 3.コンディショニング剤 4.スタイリング剤 5.カラーリング剤 6.パーマネント・ウェーブ用剤 7.まとめ 第5章 IFSCC受賞論文からみる化粧品研究開発のトレンド (南野 美紀,神田 不二宏) 1.はじめに 2.IFSCCとは 3.受賞論文から読み取るトレンド 4.最近の受賞論文からみる今後の展望 5.まとめ 第6章 製品の構造解析 (山下 裕司,坂本一民) 1.コロイド分散系とは 2.評価装置 3.小さなコロイド粒子(分散相)の評価:可溶化製剤 4.大きなコロイド粒子(分散相)の評価:乳化製剤 5.連続相の評価 6.界面の評価 7.おわりに
【編著者】坂本一民,山下裕司,渡辺 啓,中村 直生,坂井 隆也,楊 建中,南野 美紀,神田 不二宏
【判型・頁】四六判・270頁
【定価】2,400円+税
【発行】2022年4月
ISBN:978-4-8408-1581-9 C3047