筑波大学つくば臨床医学研究開発機構(T-CReDO)が2016年から実施し好評を得ている「グローバル医薬品・医療機器開発プログラム」で提供する実際の開発事例を基にした教育プログラムから一部を抜粋し、医薬品・医療機器関連の開発に携わる方々の教材になるようまとめています。 本書では「ロキサデュスタット」をテーマに挙げ、実際に開発に成功した成分の開発背景やストーリー、その状況を知る当事者の声などを交えて個別学習や事業戦略策定時などの参考になるよう編集しています。 日本から医療イノベーションを創出し、世界の医療環境の革新を目指す一助となる一冊です。
[目次] ロキサデュスタットの概要 (渡邉 真哉,町野 毅) ●適応症(効能・効果)と用法・容量 ●医薬品の投与期間について ●薬価と薬価改定 Part 1 開発ストーリー ロキサデュスタット開発年表 ロキサデュスタット開発物語 -バイオベンチャー(FibroGen社)の視点から- (松本 正) ● 開発前夜─FibroGen社の設立 ● 転機─HIF論文との出会い ● アステラス製薬との提携 ● FibroGen Chinaの設立 ● アストラゼネカ社との共同開発 -米国・中国市場への導入- ロキサデュスタットのグローバル開発経緯― グロー バ ルファーマの視点から―(川崎 富久/鵜川 徹) ● 導入交渉時に評価されたポイントと既存薬との差別化 ● 製品価値最大化を意識した薬事戦略 ● パートナーと共同開発を進める際の主な留意事項 ● 国内透析期第III相試験の追加解析 ● 非臨床におけるデータの信頼性確保 [対 談]ロキサデュスタットと新時代の医薬品開発 Roxadustatとの出会い/ESAに対するRoxadustatの優位性/米国におけるClinical Holdの経験/中国で世界初の承認を取得した背景/Roxadustatの将来展望 ロキサデュスタットに関する最新情報 -プレスリリースより-(渡邉 真哉) Part 2 様々な分野からみた開発 1 開発経緯と疾患等の背景 (渡邉 真哉,町野 毅) 1.日本におけるCKD及び透析患者数の現状 2.腎性貧血とEPO製剤の登場 3.低酸素誘導因子(HIF)に関する研究 4.腎性貧血治療薬開発のガイドライン 5.公開情報による2020年時点でのロキサデュスタットの開発状況 2 レギュレーションから見た開発 (渡邉 真哉,野口 裕史,古屋 欽司) 1.グローバルの承認順 2.日本での開発~薬事承認申請のための審査報告書より~ 3.米国での開発~ Clinical Holdに関する公開情報~ 4.中国での開発~三極以外での世界初承認~ 3 競合製品との開発戦略の比較 (渡邉 真哉,小 智義/筑波大学エクステンションプログラムAlumniの会 tri-stars(新井 邦生,炭谷 徳人,高崎 竜史,高野 六月)) 1.ロキサデュスタットの開発競合環境 バダデュスタット(田辺三菱製薬) ダプロデュスタット(グラクソ・スミスクライン) エナロデュスタット(日本たばこ産業:製造販売/鳥居薬品:販売) モリデュスタット(バイエル薬品) Desidustat(ZYAN1) 2.腎性貧血を効能効果とする製品の競合環境 3.HIF-PH阻害薬と既存のESAとの関係性 医薬品医療機器開発マネジメント講座紹介 1.グローバル医薬品医療機器開発マネジメント講座について 2.グループワークの進め方とチューター・ファシリテーターの役割 [付 録]グループ発表の例(Group A ~ Eの発表資料) 筑波大学T-CReDOのミッション
【編集】筑波大学つくば臨床医学研究開発機構(T-CReDO) 【判型・頁】B5判・112頁 【定価】本体2,200円+税 【発行】2022年6月 ISBN:978-4-8408-1585-7 C3047