「患者参加型医療」の概念の基になる「コンコーダンス・モデル」(患者と医療者が同じチームの一員となり、治療に対する様々な問題に対し、協力、情報交換を行い、お互いの意見を尊重し、治療方針を決めていくこと)について詳述したほか、医療者(薬剤師)と患者が互いに歩み寄るために、また双方にあるギャップを埋めるために必要なコミュニケーションのあり方などについても記述しています。
また、第3章では、自身もがん患者として加療中である、患医ねっと代表の鈴木信行氏が自身の体験も踏まえながら、患者視点からみた「患者参加型医療」の実現に向けた考え方を記述しています。
「一緒に」をキーワードに、積極的な患者と医療者のパートナーシップ関係の構築を目指す本書は、薬剤師をはじめとした医療従事者はもちろん、患者自身やそのご家族にも読んでほしい一冊です。
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【もくじ】
第1章 患者参加型医療とは?
「患者が医療の中心でありながら置き去りにされる」現象とは?
患者参加型医療における患者の役割
「患者が医療の中心でありながら置き去りにされる」現象の具体例
第2章 なぜ,患者は薬を飲まないのか?
コンコーダンス・モデルに出会ったきっかけ
コンコーダンス・モデルとは?
コンコーダンス・モデルのポイント
コンコーダンス・モデルが提唱されるようになった背景
捨てられている薬剤費
服薬指導の重要性
患者は,薬を飲みたくない
できれば,薬を飲まずに治したい
医療者は特別な場合を除いて,患者に薬を飲ませることはできない
患者の協力なしに薬を飲ませることはできない
コンコーダンス・モデルの前提
コンコーダンス・モデルの課題
コンプライアンス,アドヒアランス、コンコーダンス
第3章 患者視点のない医療者は生き延びれない
患者とは?
患者が目指す「患者参加型医療」とは?
患者参加型医療における理想的な関係とは
患者参加型医療を実現させるための取り組み
調剤薬局への期待
お薬手帳を活用した薬局における患者参加型医療の具体例
リハビリチームへの期待
患者視点を得る方法の具体例
さいごに
第4章 患者の想いを共有するために ~薬剤師と患者のコミュニケーション〜
患者心理とプラセボ効果
薬剤師は“薬”の専門家!の落とし穴
医療者と患者の心理的力関係
医療者と患者は異文化コミュニケーション
認知のギャップ
ギャップを埋めるためには
患者の想いを聴く
個々の患者に合わせて伝える
インフォームド・コンセントを与える
終わりに ~かかりつけ薬剤師は患者の人生の伴走者~
第5章 最初の一歩は薬剤師から!
なぜ,薬剤師からなのか?
薬剤師と患者のすれ違い
歴史的パターナリズムからパートナーシップへ
薬剤師の「今」と「これから」
患者参加型医療の課題
最後に~本書のまとめ
【編著者】
岩堀 禎廣(合同会社オクトエル代表社員、日本薬科大学客員教授)
【著者】
鈴木信行(患医ねっと代表)
有田悦子(北里大学薬学部 薬学教育研究センター 医療心理学部門 准教授)
【判型・頁】A5判・104頁
【定価】1,800円+税
ISBN:978-4-8408-1495-9 C3047