「薬事日報」連載記事をPDFデータで復刻!
『平成の言霊』~先人の志に学ぶ~
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≪シリーズ第1弾≫
■「国民的視点からの医薬分業論」
[執 筆] 水野 睦郎(水野調剤薬局)
[連載期間] 1989(平成元)年3月14~4月15日
薬局、薬剤師とは、そして医薬分業とは何か、どうあるべきか。「国民」に軸足を置き、その本質を語る。
医薬分業元年といわれる1974(昭和49)年から15年を経たものの、院外処方箋発行率は僅かに11%に留まる。未だ全国的には“医薬分業”が本当に進むのか手探りだった時代に、「国民的視点からの医薬分業論」と題し、あくまでも主役は国民であるとの視点から、“医薬分業”を論じた連載記事全9編。
なお、後年、日本薬剤師会では「薬局のグランドデザイン」(1997年)を公表したが、実は、その記載内容には、この連載内容と重なる部分が少なくない。
院外処方箋発行率が70%を超えた今、何故か、厚生労働審議会の報告書に「多くの薬剤師・薬局において本来の機能を果たしておらず、医薬分業のメリットを患者も他の職種も実感できていない」と、書き込まれた。
薬剤師・薬局は、本当に国民に理解、支持される努力をしてきたのだろうか。30年も前に書かれた連載だが、その「何故か」が、読み取れる。
【収載一覧】
1)低額な分業国の総薬剤費
2)1兆5,000億円の節約
3)国民に理解される分業論の展開
4)薬の収益性と医薬分業の達成率
5)地域薬剤拠点の建設
6)全国薬剤サービス網
7)薬局の標準規模
8)地域標準薬局の水準の維持
9)高齢社会への対応と薬剤師の役割